経理の仕事は「月末月初」や「決算期」など繁忙期がはっきりしており、残業が避けられない状況も少なくありません。
しかし、働き方改革の進展により、企業は効率化や残業削減に取り組んでいます。
では、経理の平均残業時間は実際どれくらいなのでしょうか?
忙しい時期をどう乗り越え、ワークライフバランスを保ちながらキャリアを築くにはどうすればよいのでしょうか?
この記事で詳しく解説していきます。
経理の平均残業時間は?
民間調査
下図は、転職エージェントで有名なdodaにおいて、2023年4~6月の1カ月当たりの平均残業時間(単位:時間)を集計したデータです。
経理の残業時間は、「企画/管理」の中で一か月あたり24時間となっています。
なお、厚生労働省の提供している職種別の残業時間に関するデータはありませんでした。
経理の繁忙期
経理は繫忙期と閑散期がはっきりしている職種です。
例えば、
- 月末月初
- 四半期決算
- 年度末
といった繁忙期には、残業時間が大幅に増加する傾向があります。
私も100時間近い残業を経験したことがありますが、その時期は、年度決算の業務が集中する4月や5月でした。
一方で、8月や11月といった月は、多くの人が長期休暇をとることが多いです。
この時期は残業時間ゼロまではいいませんが、10時間未満になります。
差が激しいですね。。
働き方改革
働き方改革は、長時間労働の是正や多様な働き方の促進を目的とした厚生労働省を中心とする取り組みです。
特に、労働基準法の改正により、時間外労働の上限規制が厳しくなり、これにより企業は労働時間の管理に対する責任が重くなりました。
経理においても、残業削減や業務効率化が求められるようになっています。
残業が少ない企業の特徴
十分な利益をあげている
事業で利益を安定して十分出すことができている企業です。
そのような企業の経理は、
- 経理部の人員が豊富
- 生産性の高い
場合が多いです。
経理部として、システムに力を入れるなど効率的な働き方を追求し残業時間も少ないでしょう。
今後もますます良い人材が集まっていくでしょう。
コンプラがしっかりしている
残業が少ない企業の特徴として、コンプライアンス(法令遵守)が徹底されていることが挙げられます。
労働基準法に基づく適正な労働時間管理が行われており、時間外労働の上限を守ることが義務付けられています。
また、企業内部では労働環境の改善に取り組むことが奨励されており、従業員の健康と安全を第一に考えた施策が実施されています。
違法な長時間労働を防ぐための監査体制や、内部通報制度を整備している企業も多く、従業員が安心して働ける環境が整っています。
このような企業では、法令を遵守しつつも効率的に業務を進め、健全な働き方が実現されており、従業員のワークライフバランスが守られています。
ベンチャーは?
本気で成長を目指している小さなベンチャー企業は
- お金が足りない
- 時にグレーゾーンで勝負する
- 人が足りない
というのが常態化しています。
したがって、残業時間の少ない企業とは対極にある企業と理解しておきましょう。
残業を少なくするためには
スキルアップをする
残業を少なくするためには、スキルアップが重要です。
経理として、
- 会計基準
- 税法
をおさえると同時に、
- エクセルの操作
- RPAの活用
といったITスキルを高めておく必要があります。
また、新しいITの技術やツールには常にアンテナを張っておきましょう。
また、セミナーの参加や資格取得は、自分自身のスキルを高め、仕事の質とスピードを向上に繋がるでしょう。
閑散期に繁忙期の準備をする
閑散期に繁忙期に備えて準備しておくことは、残業時間を減らすために重要です。
特に経理業務では、決算期など繁忙期が予測できるため、その前に準備を進めることで、業務の集中を避けることが可能です。
具体的には、
- 必要なデータや書類の整理
- 定型業務の見直しと効率化
- 繁忙期の事前スケジューリング
また、繁忙期に使用するシステムやツールの保守メンテナンスも、閑散期に行うことでトラブルを未然に防ぐことに繋がります。
このように、計画的な事前準備が繁忙期の残業削減に大きく貢献するのです。
残業が少ない企業に転職する
どれだけスキルを身につけ、繁忙期の準備もしっかりしたところで、恒常的に人手不足であれば長時間残業はなくなりません。
増員をする気がいない会社や上司の下では、残業時間を減らすことは不可能なのです。
その場合、自分から残業時間の少ない会社へ転職しましょう。
経理は転職がもっとしやすい職種の一つです。
これまでの経験を活かして働きやすい環境へ転職しましょう。
まとめ
経理職は月末月初や四半期決算時に忙しくなり、残業が増える傾向にあります。
経理の平均残業時間は月24時間というデータはありますが、実際のところ会社や人によってまちまちです。
ITスキル等仕事の生産性を高めて、経理特有の繁忙期に備えた準備は重要です。
もしも残業が多い環境で改善が見込めない場合は、転職を検討することも一つの方法。
より働きやすい環境で、経理のキャリアを積んでいきましょう!